シシドのヒトリゴト

きょうも指先に心をこめて

若くもなければ栄光もないけど生きていくよ

若いということは、夢をみられるということだと思う。今の自分はこうだけど、未来の自分はもっとずっと素晴らしい自分になっているはず。だって、自分にはたくさんの可能性と時間がある。かなえたい夢は全部かなえられる。きっと。

「私は若い。求めるものは栄光だけ」と言い残したのは、小説『whores on the hill』に出てくる伝説の女子学生で、私はこれがめちゃくちゃかっこいいと思って中学の卒業文集に書いた。

あれから12年たって、私は若さを失いつつあって、栄光なんてどこにもない。

f:id:shishido75:20160424161419j:plain

今日はきもちよく晴れたので、夫と海辺のピクニックにでかけた。オンボロの軽自動車を道の脇に停め、砂浜におりる。白くてすべすべした流木に腰かけて、海を見ながらふたりでドーナツを食べた。

海は透き通っていて、手をひたすと結構つめたい。靴下をぬいで裸足になって、海にはいったらもっと冷たくて、「ぎゃー、さむい」と言いながら波打ち際でぱちゃぱちゃして遊んだ。海に午後の陽射しが反射して、あたり一面がきらきら光っていた。

私は有名になれなかったし、お金もあんまりない。
夫は心の不調を抱えていて、先行きは見えない。

だけど、日々精いっぱいやってきた。だからこそ今がある。輝かしい栄光がほしかった昔の自分からみたら、「物足りない」っていうかもしれないけど。
でも、これはこれで、結構、悪くないよ。

 左手に海を眺めながらの帰り道。(そうだ、今日の夕飯はポトフにしよう)と思った。