シシドのヒトリゴト

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非正規ではたらくメリット4つ~まず精神的疲労が全然違う

私は今、非正規雇用で働いています。新卒で約5年間正社員として働き、数か月の無職期間を経て、現在の職につきました。

(無職の期間に結婚したので、今は夫と共働きです)

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正社員で働いていたころは、「非正規=不安定」というイメージがありました。企業側からすれば、労働力を弾力的に確保できるというメリットは大きいのでしょう。でも、雇用される側からみれば、昇給や賞与もなく、1年先の雇用がどうなるかすらわからない。なれるものなら正社員を目指したほうが有利、と信じて疑わずにきました。

そして、いざ自分が非正規の身分で働くことになって1か月。感じたのは、非正規雇用には、正規雇用にはないメリットもある、ということです。以下、挙げていきたいと思います。

やるべき仕事が明確に決まっており、自分で選べる

正社員のころは、会社の業務範囲であればなんでもやる、という感じでした。そのため、せっかく業務を覚えても、会社の都合で来月からまったく新しい業務の担当となることもしばしばです。納得がいかなくても、辞令が出れば従わざるを得ません。
その点、非正規雇用は業務の範囲が明確です。規定の範囲を超える業務を任されることは、基本的にはありません。(中には容赦ないブラックな企業もあると聞いているので注意が必要ですが)

 精神的疲労が少ないので、仕事以外にエネルギーを割ける

 正社員時代は、「何を達成するか」は決まっていても「どうやって達成するか」は自分の裁量に任されていました。残業、休日出勤、家に持ち帰って仕事をしている時期は、ずっと仕事のことが頭から離れず、プレッシャーで眠れない夜もありました。自炊する気力もなく三食コンビニで済ませ、当時学生だった夫がせっかく訪ねてきてくれたのに、不機嫌な応対をしてしまうことが少なくありませんでした。
それに対して、非正規雇用は、賃金が少ない代わりにプレッシャーや責任もありません。もちろん、就業時間内はきっちりと仕事をこなしますが、家に帰ってまで考えることはありません。今は家に帰ったら自炊をして、のんびり本を読んだり、夫と今日のできごとを話したり、こうやってブログを書いたりする心の余裕があります。

何らかの事情でフルタイムで働けない方も働くことができる

 非正規雇用は確かに不安定ですが、そのぶん柔軟な形態と言い換えることもできます。様々な事情で長い時間働けない方や、ある特定の時期にだけ働きたい方なども、非正規雇用というかたちであれば働くことができます。また、非正規社員の方が定型化された作業を担当すれば、正社員の方はそのぶん「価値を生み出す」仕事にリソースをあてることができます。正社員という名のもとに過重な労働を強いられている方からすれば、定型化された作業だけでも他の人にやってもらうことで、負担がいくらかでも軽減されるはずです。

自分の将来や、スキルについて真剣に考えるようになる

皮肉な話かもしれませんが、私は正社員時代より、非正規雇用の今のほうが「個人としての自分の価値をどう高めていくべきか」「どういう生き方が自分にとって幸せなのか」ということを真剣に考えるようになりました。正社員時代は仕事が人生の優先順位1位でしたし、このまま働き続ければ少なくとも悪いようにはならないだろう、という根拠のない思い込みがあったからです。しかし、会社という後ろ盾をなくした今、自分について真剣に考えてくれるのは自分しかいない、ということを痛いほど感じています。本当は正社員時代もそうだったのに、そのことが見えていませんでした。そう考えると、正社員時代は安定と引き換えに、自分の人生を人質に差し出していたようなものだといえます。

 

最後になりますが、正社員と非正規社員のふたつの立場を経験できたことは、私にとってはよかったと思っています。どんな生き方を選ぶにせよ、犠牲になるものはあるので、これからも自分に合う生き方を模索していきたいと思います。