シシドのヒトリゴト

きょうも指先に心をこめて

時には穴に落ちてもいいから、全力で駆け抜けたいと思った

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かけがえのない人生。ただ一度きりの人生。そういう言葉を聞くと胸が苦しくなる。時間は後戻りできないのに、一体私は何をやっているのか。

どうすれば意味がある人生になる?

何をすれば、周りに置いて行かれないですむのか?

そんなことを考えれば考えるほど、なにもできなくなってしまう。

私は、できるだけほかの人より「うまくやり」たい気持ちが強かった。
泥だらけの道を行くより、舗装された道を選んで、
落とし穴に落ちないように、注意深く進んだ。
そうするうちに、「うまくやること」が目的になっていった。

でも、たとえば私が最期の瞬間を迎える時に、
「ああ、最期までうまいことやったなぁ」なんて、考えるだろうか。
落とし穴に落ちずに最後まで逃げ切ったって、たどり着く先はみんな同じ場所なのに。

人生を「長い1本の線」としてとらえずに、「いまこの瞬間」に集中すべきなんだと思う。もっと周りをよくみて、いろんなことを感じて、受け入れる。自分や他人の失敗に対してもっとやわらかくなること。たとえ人生を棒にふったとして、それでも日が昇れば暖かいし、花は咲くし、おいしいごはんは作れるのだ。

落とし穴に落ちないように、下ばかり見て歩くより、
時には穴に落ちたとしても、力の限り駆け抜けることを選びたい。

やっと満開になった桜の下を歩きながら、そんなことを思った。