シシドのヒトリゴト

きょうも指先に心をこめて

「1時間1万円のオレが2時間かけて作ったカレーは2万円」という考えの落とし穴

システムエンジニア(以下SE)の業界には、「人月単価」という考え方がある。一言でいうと、「SEの誰々さんを1か月働かせるといくらですよ」システム開発会社が事前に決めた値段のこと。この値段は、ベテランSさんだと80万円、新人Bくんだと30万円という風に、その人の経験年数や技術力によって、値段が違ってくる。

とてもシンプルで計算しやすい。これはこれでいい仕組みだ。ただ、この考え方が染みついてしまうと、日常生活でも「より早く、より多くの成果を出したほうが勝ち」みたいな感じになってくる。

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例えば、「時間単価1万円のオレが2時間もかけてカレーを作ったら、2万円のカレーになってしまう。だったら3分でできるレトルトカレーのほうが上だ!」という価値観。
たしかに、より短時間で、カレーという成果物を得るという意味では、レトルトカレーのほうに軍配があがる。

でも、レトルトカレーには、物語がない。沸騰したお湯に入れて、封をきったらハイできあがり。それ以上でも以下でもない。
対して、2時間かけて作ったカレーには、自分が五感を使って感じた物語がある。大量の玉ねぎが目にしみて悪戦苦闘したり、へぇガラムマサラってこういう香りなんだって発見したり、ちょっとレシピと配分変えてみよう、とか工夫したり。
そうやって作ったカレーのほうが食べたとき絶対に満足度が高いし、誰かに「おいしい」っていってもらえたりしたら、めちゃくちゃうれしい。

物語がない毎日は、効率は良いかもしれないけどなんだか味気なくて、「生きている」って実感がどうしても薄くなってしまう。

というようなことを今日、自分で2時間かけて作ったカレーを食べながら考えた。お金をかけれないんだったらそのぶん、手間とアイデアで勝負する。きっと、人生も同じだなって思います。

 

よし、明日もがんばる!!