シシドのヒトリゴト

きょうも指先に心をこめて

結婚すると喜びも悲しみも二倍になる。あと、苦しみも。

結婚すると喜びも悲しみも二倍になる。あと、苦しみも。ただし傾向があって、一方がプラス(喜び、わくわくなど)の感情、一方がマイナス(悲しみ、イライラなど)の感情をもっている場合、マイナスの感情のほうが勝つことが多い。たぶん、マイナスの感情のほうが質量があり、相手を引きずり込むパワーを持っているのだと思う。

二人で一緒に暮らしていると、つねに二人分の感情が家に渦巻いているのを感じる。どちらかというと、私は人の顔色をうかがって生きるようなところがあるので、余計にそう思うのかもしれない。自分がうれしいことがあっても、夫がつらそうな様子だとうれしさも引っ込んでしまう。逆に、夫が楽しそうな様子だと、私もとってもうれしい。

感情だけでなく、感じ方の違いにもびっくりする。(加えて、しばしばイライラする。)例えば、私は夜寝る前に電気を真っ暗にしたら、小さな光が差しただけでも起きてしまう。でも夫は、寝る前に布団の中でスマホを見るのが習慣で、スマホを見ないと眠れないという。私が何度やめてと言ってもやめない。最初は布団をかぶって見てくれるけど、熱中しだすとこちらにまともに光が当たる体勢で見始める。小さなことだけど、毎日になるとじわじわ追い詰められてくる。(そして、この問題は現在も進行中。)

結婚してよかったと思う時もある。例えば、夜中に怖い夢をみて目が覚めたとき。心臓がバクバクして、ここはどこだろうと思って隣をみると、夫がすやすやと寝ている。もしくは起きていて、「どうしたの?」と聞いてくれる。そうすると、私は安心する。もし今こわいものが襲ってきても、私はひとりじゃない。二人で立ち向かえるから、大丈夫。そう思って、安心してねむる。

友達や親には、なぜだか結婚生活の悪い面や、悩みばかり強調して話してしまう。そのほうが盛り上がるというか、共感してもらいやすい気がするから。でも、本当は結婚にいいも悪いもないのだろう。よっぽどの悪人(何に対する悪なのかにもよるけど)とでも結婚するのでない限り、誰と結婚してもたいして違いはないのじゃないか。きっと問題は、相手ではなく自分のなかにある。